写真を学ぶにつれて、自分が感動した被写体を、そのまま写真に定着することの難しさを痛感します。
カメラの扱いに慣れたら、写真が撮れるようになると思うのは、初めのうちだけなんです。
撮れば撮るほど、
「あれ? 何か違うんだけど……」
と、自分が見たものと、写真に写っているものとの乖離に、がっかりする方が多いのです。
原因はいろいろあって、例えば、
1.光が読めていない。
2.ピント位置が適切ではない。
3.被写界深度が適切ではない。
が挙げられます。
しかし、根本的な原因はそれ以前にあって、自分が、
何を魅力的と思ったのか、
何を面白いと思ったのか、
何に感動したのか、
が、本当は明確になっていないことなんです。
ぱっと見て、「あ、面白い」カシャッ、じゃなくて、もっと掘り下げないとダメなんですね。
カメラを構える前に、「この被写体の何が魅力なのか」がはっきりしないと、撮りたいイメージもカメラの設定も決まらないことに、やっと気がついたんです。
じっくり観察して撮る。
この基本が、全然できていませんでした。
1枚の写真を撮るのに、以前よりも時間がかかっていますが、じわじわと写真の奥深さを感じているところです。
いつかは無くなるであろう公衆電話。
公園の片隅にぽつんと佇んでいる姿を撮ってみました。
電灯が点く前の夕方に、遮光で撮れないかと期待したのですが……
残念。
イメージしていたように、陽は当たっていませんでした。